「あ、はい」
「あ、そうですそうです」
「あ、本当ですか?」
「あ、わかりました」
会話の最中にこちらから話をふると、返事の頭に必ず「あ、」を付けてしまう人を見たことはないだろうか?
あるオンラインでの個別コンサルで、24人の方とお話をさせていただく機会があったが、確実に癖になっている人が6人、怪しい人が4人いた。
実に約4割の人が、言葉の頭に「あ、」を付けて話していたのだ。
全ての人が無意識で「あ、」を付けている
その内、その旨を指摘をすると、「あ、そうなんですよ。ついつい…」と、自覚している人が約半分。
指摘されて初めて気づいた人が約半分という具合だった。
そして、その全ての人に共通として言えるのが「無意識」であるということ。
当然ながら、意図的に「あ、」を付けて話している人はまずいない。
言葉の頭に「あ、」を付ける人の印象
言葉の頭に「あ、」を付ける人はどのような印象に思われるか?というと、これは間違いなく悪い方に見られる。
悪い方というのは、「損をしている」という意味合いでだ。
「あ、」を付けて話をしてしまう場合、会話している相手には
「自信がなさそう」
「きょどっている」
「コミュ障?」
「話し辛い」
「精神年齢が幼い」
といった印象を与え、舐められがちになる。
特に女性に対し、「自信がなさそう」「精神年齢が幼い」と感じさせてしまうと、中々その後、立場を上位にもっていくことが難しくなる。
仕事面においても、説得力が無いとか、上司に軽んじられるなど、不利になる事が多い。
言葉の頭に「あ、」を付けない人の印象
逆に「たいした事」を言っていなくても、「あ、」を付けずゆったりと落ち着いたトーンで話している人は、
「自信にみなぎっている」
「大人っぽい」
といった、ポジティブな印象を与える。
その印象は、「ユーモア」な会話と合わさることで、理想的なギャップをも生成する要素となる。
就職面接や、プレゼンテーション後の質疑応答などでも、与える印象は全然違うものになる。
「あ、」を付けないようにする改善方法
この「あ、」が付いてしまう原因は様々で、「対人ストレス」が原因とも言われているが、実際のところは完全に解明されているわけではない。
しかし、原因は不明でも改善することはできる。それは【「あ、」を飲む意識を持つ】ということだ。
あるいは、代替えの一言を意識するのも一つの手だ。
例えば、人から「どう思う?」と急にふられたとき、
「あ、そうですね…」
と答えてしまう場合、この「あ、」を飲む意識を持つ一拍置くイメージだ。
「どう思う?」
「・・そうですね」
それだけで、落ち着いた印象を与える事が出来る。
実際はたいした事を考えてなくても「あ、そうですね」と返答するよりも「・・・そうですね」と切り出した方が、「頭がキレる」という印象を与え、その後の発言の重みが増す。
その「あ、」を飲む感覚が難しければ、「復唱」を使ってみよう。
「どう思う?」
「どう思うか…そうですね」
という感じで。
「ビールでいい?」に対し
「あ、はい」×
「あ、うん」×
「ビールいただきます」○
「ビールでいいよ」○
「飲む」意識が難しい場合は、これを活用すると良い。
「あ、」を付ける頻度を自然に減らす
この「あ、を飲む意識」か「復唱」を覚えたら、もう一つ大事なステップがある。
それは、たまには「あ、」でいいという意識だ。
人間なのだから、毎回、毎回「あ、を飲む」「復唱」が出来なくたっていい。
たまには「あ、」が出たっていいのだ。それこそが、自然なのだから。
これは、「ノウハウ思考」な人にありがちな、「やりすぎて不自然になる」ケースを防ぐためだ。
たとえば、ジェスチャー。
セミナーや動画で人にプレゼンをする場面で、身振り手振りを多用した方が人に思いが伝わると学んで、無理矢理にジェスチャーをしまくる人がいる。
しかし、それを意識するあまり、あまりにも不自然で逆に気持ち悪くなっている人は多い。
外人のまねをしてみたものの、多用しすぎて、ただの落ち着きがないキモい人になっているパターンと同じだ。
会話は自然さが何よりも重要
何事も、自然さが大事。毎回、毎回、意識していては、それはそれで違和感を与える。
「あ、」とて同じことで、毎回「飲むんだ」「復唱だ」と意識して返事していると、なんか機械的で、喋り自体も不自然な感じになる。
それどころか、そのことに意識が集中するあまり、そのうち言葉自体が出なくなってしまいかねない。
なので、
1)「飲む」か「復唱」
2)それが癖付いてきたら忘れる
この2段階で少しずつ改善していけば、相手に弱弱しい印象を与える「あ、」を多用することは段々と少なっていくだろう。
それどころか、ごく自然に「ちゃんと出来ている人」という印象を与えられる人になっているはずだ。
コミュニケーションにおいて、「自然さ」はかなり重要だ。
各テクニック、ノウハウが体に染み付いたら、次のステップはそれを忘れる事。
そうすることで、あなたの本物のスキルになる。
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